蝦夷生計図説

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"ルヲイシユト": 1 件ヒット

第8巻, 9ページ, タイトル:
是はウカルを行ふの時、拷掠するに用る杖なり、 シユトと称する事はシモトの転語なるへし、    本邦の語に□笞をしもとゝ訓したり、 これを製するには、いつれの木にても質の堅固 なる木をもて製するなり、其形ちさまーー変り たるありて、名も又同しからす、後に出せる図を 見てしるへし、此に図したるをルヲイシユト と称す、ルとは樋をいひ、ヲイは在るをいひて、 樋の在るシユトといふ事也、後に図したる如く 種類多しといへとも、常にはこのルヲイシユト のミを用ゆる事多し、夷人の俗、此具をことの 外に尊ひて、男の夷人はいつれ壱人に壱本 つゝを貯蔵する事也、人によりてハ壱人にて 三、四本を蔵するもあり、女の夷人なとには 聊にても手をふるゝ事を許さす、かしらの ところにハルケイナヲを巻て枕の上に懸置也、 ☆ これはウカルをおこなうとき、むち打つのに用いる杖である。シユトという語はシモトの転語であろう。    <註:わが国のことばで楉笞を「しもと」と訓じている>  これを作るには、どんな木でも木質の堅い木を用いる。そのかたち、いろいろ変ったものがあって、名称も同じではない。あとに出した図を見て理解してほしい。  ここに図示したものをルヲイシユト【ruosutuあるいはruunsutu→ruuysutuか?】という。ル【ル:ru/筋】は樋をいい、ヲイ【オ:o/にある。ウン→ウイ?:un→uy?/ある?】は在るということで、樋の在るシユト【ストゥ:sutu/棍棒、制裁棒】ということである。後に図示したように種類は多くあるが、通常はこのルヲイシユトのみを使うことが多い。  アイヌの人びとのならいでは、この道具をことのほか尊んで、男はみなひとり一本づつもっているのである。ひとによっては、ひとりで三、四本をもっているものもあるが、女などにはわずかでも手を触れることを許さない。その頭のところにはハルケイナヲ【ハ*ラキ● イナウ:harki inaw/●】を巻いて、枕の上に掛けておくのである。

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