蝦夷生計図説

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"モロ・クナシリ": 2 件ヒット

第2巻, 4ページ, タイトル:
夷人の食は、鳥獣魚とふの肉を専らに用ると いへとも、不毛の地にして禾穀の類のたえて 生する事なしといふにはあらす、又禾穀の 類をうへて食する事なしといふにも非す、 こゝに図する所はすなハち稗の一種にして、 烏禾の類也、これは蝦夷のうちいつれの地 にても作りて糧食の一助となす事也、    但し、極北の地子モロ・クナシリ島なといへる所の 夷人の如きは、かゝる物作れる事あらす、これは ひとしく蝦夷の地なりといへとも、殊に辺辟 たるにより、その闢けたる事もおそくして、 未かゝる物なと作るへきわさは知るに及ハさる アイヌの人々の食についてであるが、専ら鳥や獣や魚の肉をそれにあてている。しかし、だからといって彼らの住む土地が不毛であり穀類の生育を見ないというわけではない。 ここに掲げた図は稗の一種「烏禾」の仲間である。この作物は、蝦夷地一円に栽培されているもので、糧食の一助として用いられている。 * 但し、蝦夷地の内でも最も北に位置するネモロ(根室)やクナシリ(国後)島などといった地域のアイヌの人々は、こうした作物を栽培することはない。なぜならば、同じ蝦夷地とはいえ、根室や国後島は格別辺鄙な地であり、その開闢も遅く、いまだに作物を栽培する技術を知るに至っていない
第2巻, 11ページ, タイトル:
ラタ子と称する事は、ラタツキ子といへるを略せるの 言葉也、ラとはすへて食する草の根をいひ、タ ツキ子とは短き事をいひて、根短しといふ事也、 これは此草の形ちによりてかくは称するなり、 是亦国の開けたる初め火の神降りたまひて、 アユシアマヽと同しく伝へ給ひしよし言ひ伝へて、 ことの外に尊み蝦夷のうちいつれの地にても作り て糧食の助けとなす事なり、    但し、極北の地子モロ・クナシリ島とふの夷人作る 事のなきは、アユシアマヽに論したると同しき ゆへとしるへし、 是を 本邦菜類のうちに考ふるに、すなハち ラタネとは、「ラタツキネ」という言葉を略した言葉である。「ラ」とは食用植物の根全般を指し、「タツキネ」は「短い」を表わし、あわせて「根が短い」という意味である。 この草がそういう形をしていることから付いた名称である。これもまた、国の開けし始め、火の神が降臨なさって、アユシアママと一緒にお伝えになったと言い伝えられており、ことのほか尊ばれている。この作物も、蝦夷地一円に栽培されており、糧食の一助として用いられている。 *但し、極北の地であるネモロ・クナシリ島等のアイヌの人々がこれを栽培することがないのは、アユシアママのところで論じたのと同じ理由であろう。 ラタネとは、

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