蝦夷生計図説

検索結果

"セム": 3 件ヒット

第3巻, 10ページ, タイトル:
ユウタとは舂事をいふ也、ヒロウなといへる所の 辺より奥の夷地に至りてはウタとも称する なり、是は前の図のことく囲炉裏の上にてほし たる穂をそのまゝ臼にいれてつく事なり、 其つく所は常に小棟屋にて為す事多し、    小棟屋は夷語にチセセムといひて、住居の側に 立てつきたる小き家をいふ也、 晴天の日なとは、家の外に出てつく事も ある也、  ユウタとは、搗くことを意味する。ヒロウ(広尾)とかいう所の辺りより奥の蝦夷地に行くと、ウタとも称している。これは、前の図に見えるような囲炉裏の上で干した穂を、そのまま臼に入れて搗くことを指している。これを搗く場所であるが、常に小棟屋で行なわれることが多い。 * 小棟屋とは、アイヌ語でチセセムといって、住居のそばに建てられる小さな家のことである。 晴天の日などは、屋外に出て搗かれることもある。
第7巻, 25ページ, タイトル:
茅をもてかこふ事なり、其かこひをなすに二種の ことなるあり、シリキシナイの辺よりビロウの辺ま てのかこひは、 本邦の藩籬なとのことくに ゆひまハして、家の四方を囲ふなり、ビロウの辺より クナシリ嶋まてのかこひは、屋を葺てより其まゝ 家の四方にふきおろして囲ふ也、委しくハ後の 全備の図を見てしるへし、其茅をふく次第は、家の くミたてとゝのひてより、まつ初に四方の囲ひをなし、 それより屋をふく事也、    凡屋をふくにつきてハ、其わさことに多して、 此図一つにして尽し得へきにあらす、別に器 財の部のうち葺屋の具をわかちて録し 置り、合セ見るへし、 右の如く屋を葺事終りて、其家の右の方に 小きさげ屋を作りて是をチセセムといふ、チセは家 をいひ、セムはさげ屋といふ事なり、 である。その囲いをするのには二種類の方法のちがいがあって、シリキシナイあたりよりビロウあたりまでの囲いは、わが国の垣根などのように茅を結いまわして家の四方を囲うのである。また、ビロウのあたりよりクナシリ嶋までの囲いは屋根を葺いてから、そのまま家の四方に葺き下ろして囲うのである。詳しいことは後に示した全備の図をみて理解してほしい。  その茅の葺き方の順序は、家の組み立てがおわってから、まず四方の囲いを造り、それから屋根を葺くのである。    <註:大体において、屋根を葺くための技術はとりわけ多く、この図ひとつでいいつくす ことはできない。別に「器財の部」の中に屋根葺きの道具を分けて記録しておいた ので合わせてみてほしい。>  以上のように屋根を葺き終ると、その家の右のほうに小さな「さげ屋」を造って、これをチセセムという。セム【セ*ム:sem/物置】はさげ屋ということである。
第7巻, 26ページ, タイトル:
さげ屋といふは、すへて 本邦の俗語に 本屋のつゝきに小き家を造り足す事をさげ 屋といふ事なり、 この家の図の右の方に、口のあきてあるは、其 チセセムを造るへきために明け置事也、後の全備 の図を見てその造れるさまをしるへし、是にて まつ居家経営の事は終れり、これより後に 録するところは全備のさまをしるせるなり、 <註:さげ屋というのは、総じてわが国の俗語で、本屋に続きに小さな小屋を造り足すこ とをいう。>  この家の図の右の方に口を明けてあるのは、チセセムを造るためにあけたのである。後の全備の図をみてその様子を知ることができる。 ☆ これで、とりあえず、家の建て方についてのことは終わる。これから後に記録してあるのは完成した様子を記してある。

全1ページ中の第1ページ, 全3件のレコード中1-3を表示中

< 前ページ 次ページ >