蝦夷生計図説

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"コツ": 4 件ヒット

第7巻, 23ページ, タイトル: キタイマコツプの図 
第7巻, 24ページ, タイトル:
是は家のくミたてとゝのひてより、屋をふくさま也、 キタイマコツプといへるは、キタイは屋をいひ、マコツプは葺 事をいひて、屋をふくといふ事也、屋をふかんとすれは、蘆 簾あるは網の破れ損したるなとを屋をくミたてたる 木の上に敷て、其上に前に録したる葺草の中いつれ なりともあつくかさねてふく也、こゝに図したるところハ 茅を用ひてふくさま也、この蘆簾あるハ網とふのものを 下に敷事ハ、くミたてたる木の間より茅のこほれ落るを ふせくため也、家によりては右の物を用ひす、木の上を すくに茅にてふく事もあれとも、多くは右のものを 下に敷事なり、    ここにいふ蘆簾は夷人の製するところのものなり、 網といへるも同しく夷人の製するところのものにて、 木の皮にてなひたる縄にてつくりたるものなり、 すへて夷人の境、障壁とふの事なけれハ、屋のミにかき らす、家の四方といへとも同しくその屋をふくところの ☆これは家の組み立てができてから屋根を葺くようすである。キタイマコツプというのは、キタイ【キタイ:kitay/てっぺん、屋根】は屋根をいい、マコツプ【アク*プ?:akup?/葺く】は葺くことをいうので、屋根を葺くということである。屋根を葺こうとするには、芦簾あるいは網の破れ損じたものなどを屋根を組み立てる木の上に敷いて、その上に前述の葺き草のうち、どれでも厚く重ねて葺くのである。ここに図示したのは茅を用いて葺いているようすである。  この芦簾あるいは網などのものを下に敷くことは、組み立てた木の間より茅が零れ落ちるのを防ぐためである。家によってはそれらを使わず、木の上に直に茅で葺くこともあるけれども多くは右にあげたものを下に敷くのである。    <註:ここでいう芦簾アイヌの人びとが造ったものである。網も同じくアイヌ製のもので 木の皮を綯って造ったものである。> 総じてアイヌの人びとの国には障子や壁などというものがないので、屋根ばかりではなく、家の四周さえも同様にその屋根を葺く茅で囲うの
第7巻, 28ページ, タイトル: チセコツの図 
第7巻, 29ページ, タイトル:
此図はシリキシナイの辺よりシラヲイの辺に 至るまての居家全備のさまにして、屋は茅を もて葺さる也、是をキキタイチセと称す、キは 茅をいひ、キタイは屋をいひ、チセは家をいひて、茅の 屋の家といふ事なり、前にしるせし如く、屋をふく にはさまーーのものあれとも、此辺の居家は専ら 茅と草との二種にかきりて用るなり、チセコツと いへるは其家をたつる地の形ちをいふ也、チセは家を いひ、コツは物の蹤跡をいふ、この図をならへ録せる事ハ、 総説にもいへる如く、居屋を製するの形ちはおほ よそ三種にかきれるゆへ、其三種のさまの見わけやす からんかためなり、後に図したる二種はミな此故と しるへし、 ☆ この図はシリキシナイのあたりからシラヲイのあたりまでの家の完備したすがたで、屋根は茅で葺いてある。これをキキタイチセという。キ【キ:ki/カヤ】は茅をいい、キタイ【キタイ:kitay/てっぺん、屋根】は屋根をいい、チセ【チセ:cise/家】は家をいうから茅の屋根の家ということである。前述のように屋根の葺き方にはさまざまなものがあるが、このあたりの家はもっぱら、茅と草の二種だけを使うのである。    チセコツというのは、その家を建てる敷地のかたちをいう。チセは家をいい、コツ【コッ:kot/跡、くぼみ】はものの あとかたをいう。この敷地の図を並べて記すのは総説でものべておいたように、家を造る際のかたちはだいたい三種類に限られるので、その三種類の形体を見分けやすくしようと考えたためである。後に図示した二種はミナこの理由によるのである。

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