蝦夷生計図説

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"キムン": 2 件ヒット

第4巻, 4ページ, タイトル:
凡夷人の舟は敷をもて其基本とす、しかるか 故に舟を作んとすれは、まつ初めに山中に 入て敷となすへき大木を求むる事也、    夷人の舟は、敷をもて本とする事、後に くハしく見へたり、 其山中に入んとする時にあたりてハ、かならす先つ 山口にて図の如くイナヲをさゝけて山神を祭り、    イナヲといへるは、 本邦にいふ幣帛の類也、 くハしくはイナヲの部にミえたり、 埼嶇□嶢のミちを歴るといへとも、身に 恙なくかつは猛獣の害にあはさる事とふを 祈る也、其祈る詞にキムンカモイヒリカノ ☆すべてアイヌの舟は船体が基本である。だから舟を作ろうとすれば、まずはじめにおこなうのは山に入って船体とする大木を探し求めることである。  <註:アイヌの舟は船体が基本であることは、後に詳しく述べられている> ☆そのために山の中に入ろうとするときには、かならず最初に山の入り口で図のようにイナウを捧げて山の神を祭り、 <註:イナウというのはわが国でいうところの御幣のたぐいである。詳しく は「イナヲの部」に述べられている> ☆ 崖や@@の道を歩きまわっても、自分のからだにつつがなく、さらに猛獣に襲われないことを祈るのである。その祈りことばに「キムンカモイヒリカノ
第4巻, 5ページ, タイトル:
イカシコレと唱ふ、キムンは山をいひ、カモイは 神をいひ、ヒリカは善をいひ、ノは助語なり、 イカシは守護をいひ、コレは賜れといふ事にて、 山神よく守護賜れといふ事也、かくの如く 山神を祭り終りて、それより山中に入る也、 木を尋る時のミに限らす、すへて深山に入んと すれハ、右も祭りを為す事夷人の習俗也、 こゝに雪中のさまを図したる事ハ、夷人の 境、極北辺陲の地にして、舟とふを作るの時、 多くは酷寒風雪のうちにありて、その 艱険辛苦の甚しきさまを思ふによれり、後の 雪のさまを図したるはミな是故としるへし、 イカシコレ」と唱える。キムンというのは山をいい、カモイは神をいい、ヒリカは善くをいい、ノは助詞である。 イカシは守ることをいい、コレはしてくださいなという意味であって、「どうぞ山の神様よろしくお守りくださいませ」ということである。このように、山の神へのお祈りを終えてそれから山の中にはいるということなのである。木を探すときばかりではなく、山の中に入ろうとすれば、右のようなような祭りをすることはすべてアイヌの人びとの習俗なのである。 ここに雪中での作業の様子を図にしたのは、アイヌの人びと境域?は極北の辺地であって、舟などを作るとき、多くは酷寒の風雪はなはだしい時期におこなわれるので、その作業の困難辛苦のようすを思うためである。後にも雪の中での作業を描いているのはみなその理由であることを知っておいてほしい。

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