蝦夷生計図説

ヤアラキタイチセの図

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ヤアラキタイチセの図

是はビロウの辺よりクナシリ島にいたるまての
居家全備のさまにして、屋は木の皮をもて
葺たるなり、是をヤアラキタイチセと称す、ヤア
ラは木の皮をいひ、はタイチセは前と同しことにて、
木の皮の屋の家といふ事なり、たゝしこの木の
皮にてふきたる屋は、日数六七十日をもふれは
木の皮乾きてうるをひの去るにしたかひ裂け
破るゝ事あり、其時はその上に草茅とふをもて
重ね葺事也、かくの如くなす時は、この製至て
堅固なりとす、しかれとも力を労する事ことに深き
ゆへ、まつはたゝ草と茅とのミを用ひふく事多し
と知へし、木の皮の上を草茅とふにてふきたる
さまは、後の図にミえたり、

☆ これはビロウのあたりからクナシリ島にいたる家屋完備のようすである。屋根は木の皮で葺いている。これをヤアラキタイチセという。ヤアラ【ヤ*ラ:yar/樹皮】は木の皮をいい、キタイチセは前とおなじことで、木の皮の屋根の家ということである。ただし、この木の皮で葺いた屋根は日数六、七十日もたてば、木の皮が乾いて潤いがなくなるにしたがって、裂けて破れることがある。そのときは上に草や茅などでもって重ねて葺くのである。このようにしたときは、造りはいたって丈夫であるという。しかしながら、この作業は労力がたいへんなので、一応は草と茅だけを使って葺くことが多いと理解しておいてほしい。木の皮の上に草や茅などでふいているさまは後に図示してある。