蝦夷生計図説

トントの図 二種

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トントの図 二種

トンドは柱の事也、図に二種出せる事は、上
下の品あるゆへなり、上に図したるは岐頭の木に
して、桁のくゝみに其まゝ岐頭のところを用る也、
是をイクシベトンドと称す、イクシベは岐頭の木を
いひ、トンドは柱をいひて、岐頭の木の柱といふ事也、
是を下品の柱とす、下に図したるは常の柱にして、
桁のくゝみを筥の如くなして用る也、これをバロ
ウシトンドと称す、バロは口をいひ、ウシは在るをいひて、
口のある柱といふ事なり、是を上品の柱とす、
すへて夷人の境、居家の製はその形ち大小広狭の
たかひありて一ならすといへとも、柱の製はこの
二種に限る事なり、

☆ トンドは柱のことである。二種類を図示したのは、上下の品があるためである。上に図示したのは頭が分かれた二股の木で、桁のくくみ?にそのまま二股のところを使うのである。これをイクシベトンドという。イクシベ【イク*シペ:ikuspe/柱】は二股の木をいい、トンド【トゥントゥ:tuntu/(大黒)柱】は柱のことで二股の木の柱ということである。これを下品の柱とする。
下に図示したのは通常の柱で、桁のくくみ?を丸い箱のようにして使うのである。これをバロウシトンドという。バロ【パロ:paro/その口】は口のことをいい、ウシ【ウ*シ:us/にある】は在るといって、口のある柱という意味である。これを上品の柱とする。総じてアイヌの人びとの国は、家の製法はその形、大小、広狭の違いがあって、同一ではないといっても、柱の製法はこの二種類に限られているのである。