蝦夷生計図説

トンドベレバの図

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トンドベレバの図

トントベレバといへるは、トンドは柱をいひ、ベレバは
割事をいひて、柱を割といふ事なり、是は伐り
出せし木の長短を度りて、よりよくーー切り
揃へ、細きは其まゝ用ひ、太きは二つに割て柱と
なす事也、すへて夷人の境、器具とほしくし
て鋸よふの物もなけれは、かゝる事をなすにも図の
如く斧をもて切りわり、その上を削りなをす也、

柱のミならす板を製するといへとも、又同しく
斧にて切りわる事ゆへ、其困難にして力を
労する事いふはかりなし、

☆トントベレバというのは、トンド【トゥントゥ:tuntu/(大黒)柱】は柱の意味、ベレバ【ペ*レパ:perpa/割る】は割ることで、柱を割るということである。これは伐り出した木の長短を測ってよりよくよりよく切り揃えて、細い木はそのまま用い、太い木はふたつに割って柱とするのである。総じて、アイヌの国では道具に乏しくて鋸のようなものもなければ、木をふたつに割るのにも図のように斧でもって切り割り、その上を削りなおすのである。

柱ばかりではなく、板を造るときであってもまた同様に斧で切り割るのでその作業の困難でかつつかれることについてはいうこともできない。