蝦夷生計図説

舟中の具備りて海上を走る図

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舟中の具備りて海上を走る図

本邦の舩師にことなる事はあらす、まづ
舟を出さんとするには、其日の天気、風波の
善悪をかんかふるの述もあり、舩中にて忌ミ
憚るの詞もあり、或は風波にあふときハ海神に
祈るの法も有、其外海上を走るといへとも、
凡そ一日に着岸なるやならさるやの程を
計りて、格別に遠く岸を離れて乗る事ハ
あらす、常に海岸にそふて走る也、是ハ
北方の海上風波のあらき事甚しきゆへ、
舩を海上に泊する事ハ夷人ことに恐れきらふ
か故也、此外舩中にての事は夷人すへて秘密の
事となして、かるーーしくハ人に語らさるゆへ

それは日本の船乗りと異なることはない。まず、舟を出そうとするには、その日の天気、風波の良し悪し考えてつげるということもあり、船中での忌み言葉もあり、また風波に遭ったときは海の神に祈ることもある。そのほか、海上を航行するときであっても、およそ一日で着くことができるかできないかの距離をおしはかって、とりわけ遠くまで岸を離れて乗ることはなく、常に海岸に沿って航行するのである。これは北方の海上は風波の激しいことはなはだしく、舟を海上に停泊させることはアイヌの人びとのことに恐れ嫌うためである。このほか船中のことはすべて秘密のことであってアイヌの人びとは軽々しく人には語らないので、