蝦夷生計図説

ラタネの図

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ラタネの図

蔓菁の一種なり、其食するに根葉ともに
用ゆる事全く蔓菁と異なる事あらすして、
味も又同し、夷人のいひ伝ふるところも、此菜ハ
よのつねの草とは事替りて、聊か毒の気なし
とて、疾病の人といへとも、此菜に限りてハ心を
おかすして食せしむる事也、すへて蝦夷のうち
極北の地にあらさるあひたは、土地の美悪にかゝ
ハらす作りたにすれはよく生熟する事也、多く
作る事もあらんには、荒凶のとしの備へになさん
も、便なるへし、

   右の二種は蝦夷の闢けし初より自然に生し
たる所にして、外より伝ハり植たる物にハ

我が国に生育する菜類のなかにある
「蔓菁」の一種である。食するときに根と葉とを共に用いることなど全く「蔓菁」と変わるところはなく、味もまた同じである。アイヌの人々の言うには、ラタネは通常の草とは異なり、少しも毒気がないとのことである。従ってこの菜に限っては、病人にも安心して食べさせているのである。蝦夷地のうち極北の地を除き、土地の美悪に拘らず、作りさえすればよく成熟するとのことである。よって多く作られた場合、凶作の年の備えとなり、便利なことである。

* 右に掲げたの二種の作物は、蝦夷地開闢以来の自生種であり、外部から伝来して植え付けられたものでは