蝦夷生計図説

ラタネの図

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ラタネの図

ラタ子と称する事は、ラタツキ子といへるを略せるの
言葉也、ラとはすへて食する草の根をいひ、タ
ツキ子とは短き事をいひて、根短しといふ事也、

これは此草の形ちによりてかくは称するなり、
是亦国の開けたる初め火の神降りたまひて、
アユシアマヽと同しく伝へ給ひしよし言ひ伝へて、
ことの外に尊み蝦夷のうちいつれの地にても作り
て糧食の助けとなす事なり、

   但し、極北の地子モロ・クナシリ島とふの夷人作る
事のなきは、アユシアマヽに論したると同しき
ゆへとしるへし、
是を 本邦菜類のうちに考ふるに、すなハち

ラタネとは、「ラタツキネ」という言葉を略した言葉である。「ラ」とは食用植物の根全般を指し、「タツキネ」は「短い」を表わし、あわせて「根が短い」という意味である。

この草がそういう形をしていることから付いた名称である。これもまた、国の開けし始め、火の神が降臨なさって、アユシアママと一緒にお伝えになったと言い伝えられており、ことのほか尊ばれている。この作物も、蝦夷地一円に栽培されており、糧食の一助として用いられている。

*但し、極北の地であるネモロ・クナシリ島等のアイヌの人々がこれを栽培することがないのは、アユシアママのところで論じたのと同じ理由であろう。
ラタネとは、