蝦夷生計図説

チカツフイナヲの図

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チカツフイナヲの図

チカツフとは鳥の事をいふ也、是は養ひ置し
鳥を殺す時は、此イナヲを用ひて、其殺せし鳥の
霊を祭る也、これによりて鳥のイナヲといふ心
にてかく名つけし也、

   およそ夷人の俗、熊・狐の類、其外諸鳥をかひ
置て、是を殺す事あるときは、其霊を祭る事
甚た厚く、意味も又ことに深し、別に部類を
分ちてほゝしるしたりといへとも、いまた詳ならさる
事とも多し、追て糺尋の上録すへし、

 チカツフとは鳥のことを意味する。飼育していた鳥を殺すときに、このイナヲを用いて、その殺した鳥の霊を祭るのである。こうした用途のため、「鳥のイナヲ」という意味で、こう名づけられている。

* 一般的にアイヌの人々の間には、熊や狐の類、そのほか様々な鳥を飼育しておく慣習がある。そして、これらを殺すに際しては、その霊を大変篤く祭ることをなし、又その祭りにこめられる意義にも非常に深いものがある。これについては別に章を改めてその大略を記してあるが、依然として詳らかにされていない事柄が少なくない。追って聞き取りの上、記すことを期したい。