蝦夷生計図説

イナヲを製する図

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イナヲを製する図

あらす、

ことーーく家のかたハらのヌシヤサンにおさめ
置事也、
   ヌシヤサンの事、カモイノミの部にミえたり、

其製するところの形ちは、神を祭るの法にした
かひて、ことーーくたかひあり、後の図を見て知へし、

凡て是をイナヲと称し、亦ヌシヤとも称す、此二つの語
未さたかならすといへとも、イナヲはイナボの転語
なるへし、 本邦関東の農家にて正月十五日に
質白なる木をもて稲穂の形ちに作り糞壤にたてゝ
   俗にいふこひつかの事也、

五穀の豊穣を祈り、是をイナボと称す、此事いか

ない。

それらは一つ残らず家の傍らにあるヌシヤサンに納め置かれるのである。
*ヌシヤサンのことについてであるが、本稿「カモイノミの部」を参照されたい。

作製されたイナヲの形状についてであるが、神を祭るに際しての法に従って、ひとつひとつに相違がある。後掲の図を参照されたい。

これらを総称してイナヲまたはヌシヤという。この二つの語源は未詳であるが、うちイナヲはイナボ(稲穂)の転訛と考えられよう。我が国の関東農村において、正月一五日に材質の白い樹木を用いて稲穂の形にこしらえたものを糞壌に立てて
*俗にいう「こひつか」(肥塚)のことである。

五穀豊穣を祈る儀礼があるが、その木製祭具を「イナボ」と称している。
この儀礼は、